モダン・ジャズの知られざる逸話(27)

マイルス・デイヴィス[4


今日はトランペッターの部(27)マイルス・デイヴィス

モダン・ジャズは映画音楽としてもよく使われております。
ジャズという音楽の持つ心地良さ、または緊張感が銀幕によくマッチするのでしょう。

ジャズメン自体を主人公にした映画もあります。
例えば「グレンミラー物語」「ベニー・グッドマン物語」
両方とも白人のスウィング・ジャズの大物ジャズメンですが、
映画の出来具合は段違いの差です。
もちろんジェームス・スチュワートとジューン・アリスンが主演した
「グレンミラー物語」のほうが数段上です。比較にもなりません。

「ジャズの神様」サッチモことルイ・アームストロングは、
本人役で映画によく出演しました。
前述の「グレンミラー物語」にも出演しておりましたし、
「ハロー・ドーリー」ではバーブラ・ストライサンドと共演いたしました。

また、ジャズ・ファンにとっては忘れ得ぬジャズの記録映画に
「真夏の夜のジャズ」があります。
1958年ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルを捉えたこの記録映画は、
ルイ・アームストロング、セロニアス・モンク、ジェリー・マリガンら
数々のジャズメンの演奏シーンが登場し、ジャズ映画のバイブルとなっています。

閑話休題
それではジャズが「音楽」として使用された映画とは、どんなものがあるのでしょう。
マイルス・デイヴィスの「死刑台のエレベーター」
MJQの「大運河」
同じくMJQの「拳銃の報酬」
チコ・ハミルトンの「成功の甘き香り」
ジェリー・マリガンの「私は死にたくない」
ソニー・ロリンズの「色事師アルフィー」
マイルス・デイヴィスの「ジャック・ジョンソン」・・・
結構ありますよね。

でもすべてが名画というと、そうでもないです。
MJQの「大運河」なんて、
「ひとしれず」というMJQの音楽は有名でも、映画自体は見たことも聞いたこともない。
「拳銃の報酬」や「成功の甘き香り」は素晴らしい映画ではありますが、
イマイチ地味な感は否めませんね。
ここはやはり、スーザン・ヘイワードの鬼気迫る演技が印象的だった
ロバート・ワイズ監督の「私は死にたくない」
そして、ジャンヌ・モローがとても綺麗だった
ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」
この2本というものでしょう。

「死刑台のエレベーター」はマイルス・デイヴィスの音楽
嘘か真か
映画のフィルムをエンドレスにつなげたものを
マイルス・デイヴィスが鑑賞しながら即興演奏したという伝説があります。
緊張感に溢れたマイルスのトランペットは、
映画の進行に大いに貢献しております。

さて「死刑台のエレベーター」のサウンド・トラックには
数種類(少なくとも3種類)のジャケットが存在しておりますが、
これは私が最もお気に入りのジャケット
ブロンドをかき上げ、マイルスのトランペットに耳を貸すジャンヌ・モローが
何とも言えず色っぽい逸品です。
レコードでは今だかつて見たことがないため、
残念ながらCDのしょぼいジャケットとなってしまいました。