モダン・ジャズの知られざる逸話(29)

ルイ・アームストロング[1


今日はトランペッターの部(29)ルイ・アームストロング

ご存知サッチモこと、「ジャズの神様」ルイ・アームストロングです。
サッチモの出現により、ジャズという音楽は、
単なる楽器演奏から、個々のアドリブ重視へと移り変わりました。
またジャズ・ヴォーカルを鑑賞の高みにまで持っていったのもサッチモです。
数々の映画に出演し、ジャズをポピュラーにしたのもサッチモです。
サッチモの功績は、言葉では言い表せません。

子供の頃のサッチモは、喧嘩ばかりしていた悪ガキだったそうですが、
教会で賛美歌を歌う時間になると喧嘩を抜け出し、
合唱隊に加わったそうです。
そして歌い終わるやいなや、一目散に喧嘩の場所にとんぼ返りしたとか。

トランペットの演奏技術も、
サッチモの出現により飛躍的に向上いたしましたが、
サッチモといえば忘れてはならないものがスキャット
そう、「夜明けのスキャット」のスキャットです。
ジャズ・ヴォーカルの歌唱法の一つで、
声で楽器の音を模倣し、歌うというもの。
「ドゥ〜ラドゥ〜ラ、ドゥラドゥラドゥットゥル〜ル〜」とか
「パッシュワリドゥビドゥバ〜」とかいうやつですね。

女性ヴォーカルでもスキャットが得意な歌手は多く、
エラ・フィッツジェラルドやアニタ・オデイ等が有名です。
このスキャット、発明したのはサッチモです。
しかも、別に開発しようとしたのではなく、本当に偶然の産物で。

サッチモがステージで演奏し、歌っている時です。
トランペットを吹き終え、歌おうとしてマイクへ口を近づけたサッチモ。
その時、時ならぬ突風が!
突風はサッチモの手から、あっさりと歌詞カードを奪っていきました。

歌詞カードを奪われ、言葉に詰まるサッチモ
容赦なく演奏は進んでいきます。
ええいままよ、と捨て身のサッチモが歌ったのがスキャット
そう、歌詞が判らないから、場をつなぐために適当に声を出したのです。
あのダミ声で。。。

ちなみに彼の愛称である「サッチモ」とは、ガマグチのことだそうです。
きっと、彼の口がでっかくて、お財布の口みたいに開くからなんでしょうね。

ということで、サッチモの名盤「アンバサダー・サッチ」
55年・ヨーロッパ公演のライヴです。
鞄一つとトランペットを持ってヨーロッパ大陸に降り立ったサッチモは、
各地で熱演を繰り広げたのです。