モダン・ジャズの知られざる逸話(31)

ソニー・ロリンズ[4


今日はテナー・サックスの部(31)ソニー・ロリンズ

生ける伝説
本場モダン・ジャズ界最後の超大物、ソニー・ロリンズの引退が決まりました。
マネジメントを取り仕切っていた奥さんが亡くなったことと、
年齢的(75歳)にもツアーをこなすのが困難になってきたこと、等が
引退の理由として挙げられております。

嬉しいことにソニー・ロリンズ
日本でラスト公演を開催してくれます。
今年の10月から11月にかけて、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡の主要5都市で
最後の演奏を聴かせてくれるとのこと。

ロックの解散コンサートや復活コンサート等は、
単純に金儲けのためだけに企画されることもあり、
しかもそれをジャパン・マネーは簡単に実現させてしまう。
本来の音楽的目的から外れることも多々あるのですが、
ソニー・ロリンズは本当に日本びいきなんです。

ロリンズは相撲が大好きで、
仕切りの瞬間の力士の目を見ていれば、
大体どちらが勝つかがピンと来る、というくらいのマニアです。
勝負師は勝負師を知るというところでしょうか。
また、国籍も民族も違いながらも、
自分の音楽に対して大きな敬意を払ってくれる日本人に対して、
感謝の念を持ってくれています。

ロリンズのような超大物と比較するのもどうかとは思いますが・・・
ブランフォード・マルサリスというテナー奏者がいます。
弟はトランペッターのウィントン・マルサリスです。
ブランフォードはある時、アメリカのマスコミに対して、
こう吐き捨てたそうです。
「日本人なんかに、ジャズが理解できる訳がない!」

幸いにも私はブランフォードもウィントンも聴かないため、
CDやレコードを持っていませんでしたが、
この発言を契機にどれほどのジャズ・マニアが
彼ら兄弟のCDやアナログ盤を叩き割ったり、売っ払ったり、
火あぶりにしたか・・・

冷静に考えると、ブランフォードの言いたいことはわかります。
生まれも育ちも黒人と違う東洋人が、
ジャズやブルースの魂を理解するのは無理がある・・・と。
でも、それをマスコミに公言するのはどうかと思います。
しかも、ブランフォードより何倍も実績を積んでいるロリンズは、
日本人に対して最上級のジャズを提供してくれて、
しかも自分は相撲という異文化と積極的に触れ合っている。
ブランフォードは日本人云々と言う前に、
日本の文化について、少しでも触れ合う努力をしたのでしょうか?

正直、ブランフォードと比べて、
(しつこいですが、比べるのもどうかと思うのですが)
ソニー・ロリンズというジャズメンの度量の大きさ、
存在の大きさを如実に感じますね。

皆さんもよろしければ、ロリンズのラスト公演、
是非、触れ合って見ることをお勧めいたします。
本物のジャズメンとはどういうものなのか?
本物のジャズとはどういうものなのか?
真の音楽とはどのようなものなのか?
自分なりに感じることができるチャンスです。

ということでソニー・ロリンズ全盛期のアルバム、
「ソニーズ・タイム」
50年代、ジャズランド・レーベルの裏名盤です。
ロリンズには本当にテナーが良く似合う!

今回で31回目を迎えた『モダン・ジャズ』ジャケット美術館
これでひとまず完結とさせていただきます。
でも、まだまだジャズを語らせて下さい。
ジャズほど素敵な音楽は無い!
皆さんも一緒にモダン・ジャズを聴きましょう!