今日はアルト(テナー)・サックスの部(11)ソニー・スティット
どことなくイモくさい感じのサックス奏者、ソニー・スティット
ハンク・モブレイほどではないにせよ、あまり垢抜けた感じは受けません。
その風貌が災いしてか、その実力を正当に評価されているとは言い難いものがあります。
スティットといえばこれ!という代表的な名盤が存在しないのも痛いです。
また、ブルーノート・レーベルと縁が無かったのも痛い。
せっかくマイルス・デイヴィスのコンボに一時期在籍しておりながら、
正規のアルバムが作られなかったのもかなり痛い。
そう、スティットは運が悪い。
スティットは基本的にはチャーリー・パーカーの流れを汲んだアルト奏者ですが、
頻繁にテナーに持ち替えます。
これが良くない!
クラシック演奏家で、ピアノとオルガンを両方弾く人はいません。
ヴァイオリンとヴィオラを両方弾く人もいません。
(唯一の例外が、息子と共演する時のダヴィッド・オイストラフ)
アルトとテナーを交互に演奏することで、
何となく中途半端な印象を与えてしまいがちです。
今さら言っても手遅れですが、スティットはアルトに専念すべきでした。
ソニー・スティットは超一流ジャズメンではありません。
超特大ヒットも無い。
でも、ジャズを聴き進むにつれ、スティットはたまらなく愛しくなるのです。
サックスの世界でソニーといえば、答えはもちろん一つ。「ロリンズ」です。
でも、マニアの間では、ロリンズ+「スティット」&「クリス」なんです。
ソニー・スティットは1982年の7月に亡くなっておりますが、
確かその1週間前まで、我が国日本でコンサートを開いていたはずです。
もちろん演奏できるような体調ではなく、
1曲しか吹けなかったり、
最後の公演はとうとう演奏できず・・・
でもステージに出て観衆にその旨を伝え、深く詫びたという・・・
こんな真摯なジャズメン、評価されないなんて、神も仏もありません!
せめて我々日本人だけでも、スティットを正当に評価したいものです。
ということで、スティットのリーダー作から。
スティットはかなりの数のリーダー作を残しています。
みなそれなりに良い出来具合で、しかもジャケットの質もかなりのもの。
一枚選ぶというのは困難を極めるのですが、敢えて珍しい一枚を。
「ロウ・フレーム」
オーソドックスなスティットにしては珍しく、
オルガン+ギター入りのカルテット。
ワン・ホーンではありますが、
妙にアーシーなオルガンとギターに触発され、
スティットのサックスもいい味出しまくりです。
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