ジャズ基礎知識・1

JAZZの種類について

ROCKの世界にも、ハードロック、へヴィー・メタル、パンク・ロック、グラム・ロックといろいろな種類があるように、JAZZにもいろいろな種類があります。
ざっと挙げただけでも、こんなにあるのです。

@ディキシーランド・ジャズ

JAZZ発祥の地、アメリカはニューオリンズで演奏されていたような、大勢のメンバーによる明るく楽しい演奏。代表的なジャズメンはご存知サッチモ(ルイ・アームストロング)。

Aスウィング・ジャズ

要するにビッグバンド・ジャズ。
各楽器が数本ずつでオーケストラのような編成を取り、みんなで演奏するスタイル。
代表的なジャズメンは、デューク・エリントン、カウント・ベイシー(黒人)、
または、ベニー・グッドマン、グレンミラー(白人)

Bモダン・ジャズ

一般的に「JAZZ」と言えば、モダン・ジャズ。
少人数(3人〜6人)で各々楽器を持ち、即興演奏(アドリヴ)を競うスタイル。
代表的ジャズメンは・・・・多すぎて挙げられません。

さて、世間一般でいう「JAZZ」とは、上記Bモダン・ジャズのことなのですが、やっかいなことに、モダン・ジャズの中にも細かにジャンル分けがされています。

B−1.ビ・バップ

単なる楽器の演奏だったJAZZを、個々の奏者のアドリヴ中心に組み替えたスタイル。
演奏的にも複雑で、テクニックも一段と向上した。
代表的なジャズメンは、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー。

B−2.ハードバップ

世間一般でいう「JAZZ」とはモダン・ジャズのことですが、さらに絞れば
この「ハードバップ」が世間でいう「JAZZ」。
各人のアドリヴに対する重みは、ビ・バップ以上であり、言わば燃えるようなハードな演奏を意味する。
代表的ジャズメンは・・・・多すぎて挙げられません。

B−3.モード

ハードバップの中から生まれたスタイル。
制約に捉われることなく、より自由に、より奔放にアドリヴしようというもの。
マイルス・デイヴィスによって提起され、ジョン・コルトレーンによって完成しました。

B−4.フリー

モードをさらに一歩進めたジャズ理論。
一言で言うと、「何でもいいから好きなことをやれ!」
オーネット・コールマンにより提起され、ジョン・コルトレーン、アルバート・アイラーらによって完成されました。

ここで、「フュージョン」についても触れておきましょう。

「フュージョン」もJAZZと似ていますが、まったく別物と捉えておきます。
1970年代に「JAZZ界の帝王」マイルス・デイヴィスが、自らの音楽性をまったく新しい形で具現化しました。それは電気系楽器をフルに使用した、当時の音楽シーンにはまったく存在しないものでした。
その時、マイルス・デイヴィスのグループに参加していた若手ミュージシャン(ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、チック・コリア、ジョー・ザヴィヌルら)が、マイルスの音楽を参考にして(もう少し理解しやすくして)自らのグループで演奏したものがフュージョンです。
よって、本来の根本はJAZZと同一なのですが、そのスタイル、考え方、演奏方法等から考えると、JAZZとは別物として扱ったほうがよいと思われます。