コラム
 
 
血管は道路、神経は電話線

人間の体には血管という道路と神経という電話線が張り巡らされています。

先ず、血管からお話しましょう。血管は心臓を出て行く栄養豊富な血液を運ぶ動脈と栄養を配達し終え、老廃物を集めて心臓に戻ろうとする静脈があります。心臓に戻る道はもう一本あって、こちらはリンパ管と呼ばれます。血液の中には栄養や酸素だけでなく、パトロール隊がいて、体の中の敵を見つけるとすぐさま捕らえ、リンパ管を通じて指令本部につれてゆきます。

リンパ管は最終的に静脈に合流します。血液が心臓を出るときは、血液が体の隅々までに届くように圧力をかけ、勢い良く出て行きます。しかし、その血液が静脈やリンパ管で戻るためには、周りの筋肉組織の動く圧力に頼ります。また、静脈やリンパ管には、逆流を防止する弁がついています。つまり、血液が心臓に戻るためには、手足の筋肉を動かしてあげる必要があります。血管は一方通行ですから、血流が悪くなるということは、新鮮な血液が送られてこないことになります。特に足は、人間が2足歩行を始めた関係で、地球の重力に逆らって心臓に血液を戻さなくてはならなくなりました。ですから、足は第二の心臓とも呼ばれ、歩くことは一番の健康とされるのです。

神経は、脳というコントロールタワーから始まり、末梢神経として、体中に脳の指令を送信したり、逆に脳に末端で起こっている出来事の情報を送信してあげる電話線の様な役割をしています。特に自律神経は人間が生きていくために、各臓器と連絡を取り合う重要な役割をしています。例えば、寝ていても、ちゃんと心臓は動いているし、呼吸もしてますよね。神経にも種類があるのですが、その説明は、ここでは省略します。「つぼ」と呼ばれる場所には、神経に触れやすい部分が多く、押したりすると痛みを感じる場所があるのをご存知だと思います。これは、神経の末端にある受容体を刺激したために、「痛み」として情報が送られたことになります。この理屈を利用して、鍼灸や指圧・マッサージが経穴(つぼ)を押したり、揉んだり、熱くしたりして刺激を与えているのです。