だいぶ春らしい気候になってきて、今朝はセーター姿で外に出ると汗ばむほどの暖かさだった。
そろそろ三月も下旬。爽やかな「春ちゃん」が「お待たせぇ〜!」と微笑んでやってきた、って感じだ。
桜の蕾もかなり膨らんできたし、美しく花開くのも「もうじきだなあ」と呟きながら、「今年も花見酒がうまそうだな」とニンマリしてしまった。
ことほど左様に相変わらずの能天気な小生が陽気に浮かされていたら、端山さんからメールが届き、彼のセミナーに参加したある方の聴講メモが添付されていた。「完全な文章にはなっていないけど、わざわざワープロに打ち込んで送ってくれた有り難いものだから、都筑がちょいと手を加えてHPに掲載してくれないか」とのご依頼。頼まれるとイヤと言えない調子者は、他人様の書いた文章に手を入れる失礼を省みず、リクエストに応えることにした。
それにしても、短い箇条書きの行間に臨場感があふれている。端山さんの熱弁振りと聴講者の熱心に耳を傾ける姿が目に浮かぶ。「これをメモした方は文才がありそうだ」と、感心させられた。(都筑大介)
実践SS学 「あるセミナー聴講者のメモ」
2005.2.24 第四回 実践SS研究会
・前回何を学んだか?
部下に商品知識を身につけさせて、背中を押したか?
・「侍」−誠を貫くこと。大石蔵之助を知っているか、2.26事件を知っているか?
星野監督は知っているか、金本選手は知っているか、彼らは侍か?
…彼らは優勝という約束を果たすために戦い、勝ち取った。
・我流ではダメ。
自分自身のヤル気なんて何の役にも立たない。
判らないものを一生眺めていても判らないものは判らない。
ヤル気の具体的な活動はどのようなこと? サポート、NEXT〜NEXT〜NEXT。
・あなたのおっしゃったとおりに従業員は変りましたか? 変らないでしょう。
・テキストを何回開いたか?
「ここなんだよ! 確かに私も開けと言わなかった。私は迷ったときには必ず開く習慣があるので言わないでしまった。だからといって一度もテキストを開かないのは怠慢でしかない!」
「あなたがNEXT高橋になることを自覚して進まないと、高橋さんはオチオチ休めないではないか」
・「女侍」―商品知識がないと押し切れないでしょう。
聞いてあげること、長所短所をはっきり云ってあげる。
「Sさん、売れる人と売れない人との違いは何?」
S「入ってきた車のエンジン音から売れる商品を選択して進められるかどうかです」
「実践しましたか? うまくいきましたか? セミナーに出た後と前とはどう変わりましたか?」
実績を個人に書かせていたが愛車カルテの枚数を加え、コメントを入れるようにした。
実践していない。しかも全員。
・大和なでしこはいなくなった。大和魂をもった男性もいなくなった。
なるほどと思ったことはやらなければいけない。やらなくて業績が上がるわけがない。
前回、宿題を出したが覚えている人はゼロ。
・仁、義、礼、智、信 ⇒ 誠
「仁」とはやさしさ、「義」とは他人への誠意、「礼」とは自分の誠。
「智」…ライブドアの堀江社長、楽天の三木谷社長、ソフトバンクの孫社長。彼らはテキストを10分間めくっただけでもっと深い説明ができる。それだけ知識の差は大きい。
・自己修練の五項目 A君 B君
親切な行いをしましょう。 ○ ○
正しい対応をしましょう。 × ○
礼儀を正しくしましょう。 ○ ○
学習、研究、工夫しましょう。 × ×
勇気ある行動をとりましょう。 ○ ×
「学習と研究や勇気ある行動は20%、0%になる。だから問題だ!」
「学習と勇気ある行動ができないから実績が上がらない。上がらないのは最初から判っていた」
「イチローは学習し研究したから打てる。勇気を持って大リーグにチャレンジした」
「自らが学習し工夫し研究し、実践すれば実績が上がる」
・我々はビジネス活動=戦争をやっている。だから、戦う戦略を建てて実行したものが勝つ。
血:遺伝的な能力、先覚:先生であり師匠、試練:苦境を味わうこと。
昔は師匠の言う事を徹底して学んだ。
試練が人間を鍛える。苦境を乗り越えるか。敢えて試練を求める、もっと強くなるために。
・今の平和日本では、戦争が無くなったので男が弱くなった一面がある。
危機意識が無かった、甘えがあった、そんなこと要求されなかった、というのは言い逃れ。
イラクで勇気を持って戦わなかったら戦死する。戦場で一人のミスが全員の死に繋がる。
・人間と動物は叱られると分かる主人には刃向かわない。約束は守る。
親父が店を潰した息子を雇う場合は、可哀相だから働き場所を与えるか、潰した経験を積んだからこそ雇う、という選択しかない。
要はハンディキャップが人間を強くするということ。
・フルとセルフのシュミレーションを議論しているか?
・ハードウエア戦略というのは、月間販売量200KLのSSが600KLになる。これを設備を使って実現すること。しかし、それも人間にかかっている。
・サテライト金ケ崎SS:5倍デー、洗車は通常。
お客さんの知らないことで話しかけろ!
創業まもなくトップ出版社になった幻冬舎は読者の潜在意識を刺激する本を出して成功した。
世の中、機械で出来ることは機械でやる時代
しかし、セルフ化が進むにつれて人間の能力がますます重要になる。
数量増と、油外収益増と、経費削減。どれが難しいか?
知恵の価値は高い。ビルゲイツより頭のいい奴がでてくるまでビルゲイツの天下は続く。
・マインドプラス
「お客様プラス、お客様が得すると言う心構えがありますか?」
「あなたがお客だったら行くか、行かないか? 行かないという店に甘んじるな! 悔しくないか!」
従業員、管理職に刺激を与え、試練を与えよ。
自分が客だったらこのくらいだったら行くというレベルにまで引き上げる。ここからがメインイベントとなる。
・仕事の核心を突く二大基本概念=「クリティカル・パス」と「クリティカル・マス」
楽天の三木谷社長は一橋からハーバードを出て日本興業銀行に入社したが、落胆して退社。
クリティカル概念に通じている彼は「急所を突く」ことに秀でている。
「地位が上がると個室を持つことに憧れるが、いざ個室に入ると寂しい。全ての責任が一人の肩にかかる。しかし、だからこそ責任感が育まれる」
「ひとり一人の責任が明確だから、ハッキリしているから、仕事の守備範囲が広い」
・あなたのSSの「クリティカル・パス」は何か?
顧客数の少なさ。販売力のある従業員がいない。価格追随……。
端山氏の答えは、従業員の育成。
「イニシアティブをとるのははあなたなんです!」
・「クリティカル・パス」を明確にして全精力を傾ける。
@優秀な人員を投入するか。A相手が潰れてなくなるか。
・これから社内で必ず、クリティカルパスは何かを必ずいれること。
真の原因は何か、なぜ、何故、ナゼ。
・「クリティカル・マス」を考える。
現状をアップさせるか。スカウトするか。
「野球は助人、相撲は育成、金は掛かるが即戦力だ! しかし、チームワークはどうか?」
社風として、年下が上司になって「むっ」となるというようにしない。
フランクに「さん」付けで呼ぶ。
「机に権限がある。個人の価値でない!」
「リーダーは妥協しない。役者は応えようとした。結果、いい作品ができた」
サテライト金ヶ崎リバイバルプラン
「クリティカルパスはなんだろう?」
原因:価格差がない、人材レベルが低い、向かいにセルフSSが出来た。
価格差をつけることは必要か … 必要
スピードパス2,000本は必要か … 必要
@価格対応、A販促、B美化。
「何故セルフにしたか?」
@挑戦、Aメガペトロへの対抗
「何が間違いだったか?(250K⇒160K)」
…セルフになったからフルサービス志向のお客が逃げた?
「セルフの能力は何か? 最大にする決意があったか? 500K⇒600K⇒700Kという意志、決意があったか?」
…セルフなのに価格が高いということでお客様の期待を裏切った。
…同価格でも売れるのではという甘い考えがあった。
…市内400KLの平均荒利を守ろうと思った。守りに入った。
…セルフが市内SSの防波堤となった。
…理屈からいうと、20%はフルから流れる
…「クリティカル・パス」は「このSSの価格はトコトン下げる。しかし、市内は下げない」
・経営者の決意が問われている。
「神様は依田栄に厳しい試練を与えている」
【都筑のラストコメント】
最後の方にこの実践SS学セミナーが開催された社名を原文のまま残しました。
その「株式会社 依田栄」さんは、岩手県南部の水沢市に本拠を置く地場の優良企業。サービス・ステーション(=ガソリン・スタンド)、石油製品、LPG、食品、飼料、乳製品、建築資材、セメント、生コン、住宅設備、損害保険、自動車販売・修理など多岐にわたる事業を展開しており、「地域社会とともに歩む」、「社員が、企業人として優秀なだけでなく、魅力ある社会人になるよう取り組む」をモットーに成長・発展してきた会社だそうです。
このメモをつくった高橋さんは石油部門を担当している常務さんとのこと。端山さんの講義内容を受け止める姿勢の真剣さと理解するポイントの的確さに、「なるほどなあ」と思わされました。
「株式会社 依田栄さんの今後ますますのご発展」と依田社長の片腕となる「高橋さんの後継者が育つこと」を、小生も陰ながら祈りたくなりました。
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