実践SS学・セミナーノート3
「クリティカル・パスの実践」
クリティカル・パス活動フォローアップ
自身が取り組んだ課題・目標など、テーマと具体的に設定されたクリティカル・パスを書いてください。
…課題、目標、自分が考えたクリティカル・パス。
具体的に行った活動などを書いてください。
…何をしたか、その活動によって何が起こったか(良かったこと、良くなかったこと)、結果はどうなったか(取り組む前の状況と今の状況)
クリティカル・パスの実行状況の経験発表
実質二か月間、「クリティカル・パス」ケース・スタディで設定した「急所を突く」活動をしていただきました。その過程と結果において、「なるほどそうか、やれば出来る。言うのは簡単だが」などを実感したことと思います。
これらのことを明確に意識し、クリティカル・パス活動の「再構築」を図ることが、「破れなかった壁」を越える第二ステージでの挑戦に不可欠な要素となります。
各自の経験・実感を次の四点にまとめてください。
1.クリティカル・パスの進め方について。
2.クリティカル・パス活動を実施することの難しさについて。
3.クリティカル・パス活動の実行を阻む要因について。
4.クリティカル・パス活動を継続してゆけば、コールに辿り着けるか。
クリティカル・パスをやり遂げるには
次のことを自問して、懸念を払いのける。
※会社の中でよく思われたい、「自分だけでも」より多くの収入を得たい、昇進したい。と考えていないか。
※仲間のため、会社のため、お客さんのために、「奉仕」してみる覚悟があるか。
誰も最初から上手く出来る者は一人もいない。悩み、失敗を繰り返している。設定した「クリティカル・パスの考え方」を理解し、自分のものにする。仲間の人たちに、その考え方に基づいて、「よい質問」を繰り返す。それによりメンバーに、その考え方・行動思考をマスターさせる。
これによって、仕事への取り組み・問題が起きた時の解決方法が統一され、メンバーの「ベクトル(方向性)」が定まる。
阻害要因を克服する方法
必ずクリティカル・パスの実行を困難にする「邪魔もの」が出てくる。
「新しいものを実行し、何かを得るためには今持っているものを棄てる」基本姿勢が必要である。「棄てる」勇気が、クリティカル・パス遂行の原動力である。
クリティカル・パスの実行を楽しむ。メンバーが互いに「エンジョイ」しながら「苦しいこと・厳しいこと」を乗り越える楽しさを工夫する。
業務遂行に作用する相反する「二つの力」
推進力
表面上に現われた「目標、指示、命令、活動計画、リーダー」。現実を変革させる方向に推進する力。
阻害力/規制力
変革に抵抗して現状を守ろうとする力。水面下にある「混乱・不一致、不信、秘密、共謀、怠け心」などの集団と個人の感情。
業務の遂行度を高める「エンパワーメント(推し進める力)」
「ブランコで背中を押してやると振りがより一層大きくなる。それがエンパワーメント」
自律と指示された自律
従業員は仕事において「自分の思う通りにやってみたい」し、「上司より指示もして欲しい」と思っている。
よって、従業員には上司の「背中を押してやる指示」が業務の達成度を高める。また、この力(背中を押すエンパワーメント)は、従業員の「自発性と創意工夫」を促進する。
このエンパワーメントを「絶えず」働かせることによって、集団/会社は継続的な発展が維持できる。エンパワーメントのない「任せる」は、無責任な会社/上司の責任放棄であり、業務怠慢でもある。
リエンジニアリング
どのような仕事にも出発点から終着点までに色々な「業務過程」がある。その業務過程/内容を根こそぎ変えてしまうことによって、飛躍的に業績を向上することが可能になることがある。
やり方を抜本的に変革し、新しい考え方・手法を導入して仕事の効率を上げたり、競争力を向上したり、当然収益を一気に改善することを、リエンジニアリングという。建築に例えるならば、「建て替え」、改善は「増改築」。
つまり、徐々に改善を目指していくのではなく、大幅な改善を実現するために「根本的に考え方」を変え、仕事のやり方を変えること。その改革案を見つけ出す手法の一つとして、次のようなことも有効。
ベンチマーキング
…高い実績を上げている同業者、部門の「業務過程(プロセス)」を細かく調べ、「成功要因」を導き出す。
ベスト・プラクティス
…ベンチマーキングによって導き出された「最高の業務過程」。この業務過程を自社の仕事のやり方に「完全に取り込む」ことによって、一気に業績の向上を図ることを大きな目標とする。
「勝つリーダー」になるために磨く三か条
ビジネス・マインド
仕事に取り組むことによって果たそうとする「志し」と「情熱」を持つ。
お客さんの五大ニーズ「安全〜経済的」をお手伝いして社会に貢献する。
この五大ニーズが果たせるように、自分自身、仲間、部下の業務能力を鍛える。
この仕事を通じて、会社・SS・従業員の一層の発展と向上を図る。
ビジネス・ヴィジョン
仕事の「お客さんが求める形、勝つゴールの形、自分たちのあるべき形」を見通す。
お客さんは信頼の出来る「技術、情報」と「自分たちの立場に立ってアドバイス、接してくれるクルー」の備わったSSを求めている。
「お値打ちSS」が生き残る。
ビジネス・ストラテジー
このビジネス・ヴィジョンを実現するための具体的な戦略を持つ。店作り(清掃、飾りつけなど)、商品のラインナップ(燃料油、TBAS、洗車、作業)を決める。
価格政策。
これらをやり遂げられ従業員の育成と配置及びこれに賛同する従業員への動機付け。
我々が再考すべきところ
サラリーマン(会社のプロ)であるか、ビジネスマン(仕事のプロ)であるか。
「真のカン理職」とは何か?
間理職(取次ぎ)
汗理職(叱られ役)
寒理職(見ざる。聞かざる、言わざる)
官理職(上司に無抵抗)
棺理職(定年を待つだけ)
環理職(中期計画をとうとうと説明する)
管理職(Plan−Do−Seeの実践者)
「真のギ術者」とは誰か?
偽術者(出来る方法を言わない人)
疑術者(定量的な表現の出来ない人)
擬術者(理屈から外れている人)
犠術者(あちこちに犠牲者を出しながら仕事をする人)
妓術者(酒席になると生き生きとする人)
技術者(1%の可能性でも信じて、新しいことに挑戦する人)
今、実業界は、不要なもの(贅肉の部分)をより分ける、そぎ落とす、経営環境にある。自分の責任を自覚して、はっきりと自分の考えを言う、提案する。自分の能力を高めることが、会社の利益を大きくする。
端山忠彦 実践SS研究会 2005年7月度セミナーより
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