【2007.8.10 up】

   
実践SS学・セミナー
  目標達成力を高める」〜80対20の法則〜




T.活動計画&目標設定


◇3−4月の実績と活動状況
   ・目標/計画
   ・結果、実績(出来るだけ数字で表現する)
   ・実行したクリティカル・パス
   ・失敗したこと

◇5−7月の挑戦
   ・具体的な目標/課題
   ・取組まなければならないクリティカル・パス





U.ケース・スタディー「ネズミ捕り機」

 商品を販売するという仕事はネズミとネズミ捕り機販売の関係によく似ています。チーズをかじられるまで、誰もネズミの存在に気づかないし、ネズミ捕り機の必要性も感じません。ですから、お店がどんないに精巧なネズミ捕り機を作っていても、それだけでお客様から注文が殺到することはありません。なぜなら、ネズミに悩まされていないお客さんには必要もないし、何の興味をしめさないからです。お客様はネズミが家の中に現れるようになって初めて、ネズミ退治に乗り出します。そこで、いい薬、よく取れるネズミ取り機を売っているお店をさがします。今このお店の従業員の人たちは、こんなお客さんの家にネズミが現れるまでにどんな活動をする必要があるのかを、考える必要に迫られています。


 では、一緒に考えてみましょう。

1)あなたがお店の従業員ならどんな準備活動をしますか。
2)油外商品販売に関連付けて考えてみましょう。
・お客さんがどの様な状態、状況になれば販売できるのでしょうか。
・そのために、あなたはどうするべきでしょうか。
・お客さんにとって、あなたがどの様な存在になれば、お店で油外商品(ネズミ捕り機)を買ってくれるのでしょうか。


 次に、このケースを通じて感じたこと、思ったことを書き出してください。





V.「仕掛け」の出来るSSづくり

■現状のパターン■

1.目標
     −燃料油の販売数量、粗利益
     −油外商品販売、収益
     −人件費&その他経費
     −営業利益
2.戦略
     −業態・施設形態(セルフ、フル)
     −燃料の仕入れ、販売価格政策
     −油外商品のラインナップ、価格政策
     −人員の配置(マネージャー、従業員)
     −人材の育成・訓練
3.戦術・作戦(仕掛け)
     −価格   :どのSSと競争するか/どの様なお客様を獲得するか
     −油外   :何をどの様に販売するか
     −サービス :どんな接客をベースとするか
4.運営活動(こなし)
     −日常業務(給油、清掃、配達、声かけ・・・・)
     −お客さんからの注文を処理する
5.SS現場での実情
・本社から戦術、作戦実施のための詳細な行動内容が与えられていないため、具体的な「仕掛け」が展開できず、実績が下降線を辿っているSSが多い。
・戦術、作戦が誰のものなのかを考える必要がある。SS現場では自分達のものであると受けとめていない。そのため、自分達が必死になって実行しなければならないという問題意識が低い。
・作戦、「仕掛け」を作る人と実行する人が別々であるところに、SSで実行度が上がらない最大の原因がある。計画の狙いなど細かいことが分からない、分からないから意欲が上がらない、何時までも前進しない。
6.経営陣の言い訳
・「うちは組織がしっかりしていない」、「よそと較べると体力が無いから・・・」と体制不備で片付けがち。
・明確にしなければならないところは「経営陣の理解・意識不足なのか、経営戦略そのものが曖昧なのか、現場への徹底不足なのか、作戦実行に必要な人材が不足しているのか」


■動くSSの仕組み■

1.提案
▼「仕掛け作り」と「実行部隊」と連動させる。
▼SS現場で実行する人に「仕掛け」を考えさせる。しかし、「仕掛け」は問題・目的意識がある人でないと、お客さんが評価するものを創ることは難しい。
▼よって、本社とSS現場が共同してつくり、実行してゆく。

2.実行主体による「仕掛け」作り
▼目的−他社に競り勝つ仕掛けをつくり、徹底的に実行すること。
▼長所−自分達が参画した以上、実行しないわけには行かない。
     −仕掛けの裏にある背景や問題を認識して実行するため表面的ではない実行が期待できる。
     −何故この仕掛けが必要なのかという危機感を持っているので自分のものとして実行できる。

3)実施/効果−これまでとは違った、新しい活動を取り入れる。
▼それをお客様が評価するレベルまで実行する。
▼すると、SSが全体として動きだし、競争SSに打ち勝つ仕組が出来上がってくる。
▼問題、目的が何であるかが分かれば、試行錯誤しながらも必ず正解に到達できる。






W.「仕掛け」作りのステップ

1.課題、問題の発見
▼担当SSの「あるべき姿」を具体的な「数字、内容」の形で書き出す。
▼それらに対して「現状の姿」を同様に、具体的に書いて並べる。
▼そして、1)−2)つまり、「あるべき姿」−「現状のレベル」とやると、我々がやらなければならない「問題、課題、目標」が具体的な数字、内容で引き出される。
▼「自分はこうありたい」、だけど「現状はこうだ」、ということがはっきりすれば、「だからこうしよう」が浮かび上がってくる。
▼この様にして導き出された「課題」を、それらを構成している要素/内容ごとに書き出し、一つひとつ具体的な中味を洗い出してゆく。そうすれば、これまで「気づかなかった課題=仕掛け」を見つけ出すことが出来る。

2.何故「仕掛け」が必要なのか
▼目的、やるべきことを明確に打ち出さずにいきなり成功という結果を手に入れることは出来ない。
▼自分の目的がはっきりしないまま他人のマネをしても、大きな成功など期待できるはずもない。
▼現在の自分をよく知り、自分の「ゆきたいところ」という目的とのギャップを割り出す。
▼自分が汗水流して考え出し経験して創り出した「仕掛け」しかお客さんには通用しない。

3.SSが他SSに競り勝つには
▼SSを取り巻く環境が激しく変化しているので、お客様に潜在しているニーズを引き出してゆけるかで、勝敗はきまる。
▼そのため、SSとして、その「仕掛け」の弾をたくさん持っていて、そのうちいくつ実現出来るかが、勝負となる。
▼「仕掛け」とはビジネスの芽を発見し、新しい顧客をつくりだしてゆくことである。
▼この「多くのトライ=仕掛け」を実施してゆくことが、SSにとっての最大の仕事になる。





X.ケース・スタディー「80対20の現象」

 世の中には面白い現象があって、例えばビールの全販売量の70〜80%は20〜30%の酒飲みが飲んでいると云います。同様に、世の中のお金の80%は20%の金持ちが所有しているというデータがあります。
 SS
での油外販売を調べてみると、売り上げの80%は20%の優秀な従業員の人たちが売り上げています。また、20%のお客さんへの売り上げが全売り上げの80%を占めています。学校の成績でも、会社の業績でも、100の人がいると、よく出来る20人、普通ぐらい60人、余り出来ない20人という具合に分けられます


 さて、これらの現象から油外販売を増やすヒントを掴みたいと考えます。一緒に考えて見ましょう。

1)SSの従業員の内残り80%の人の成績が上がらないのは、何故だと考えますか。思いつくままに書き出してください。
2)同様に、お客さんの残り80%の人が、お店で余り買ってくれないのは、何故だろうと思いますか。思いつくまま書き出してください。
3)この現象に着目し、前述の質問で考えたことをもとに、我々が今後油外販売を拡大してゆくために、どんなことをしてゆくべきだと考えますか。気づいたことを書き出してください。





Y.「80対20」の基本概念

1.バレートの法則(イタリア 1897年)
     −ほんの一部の要因が、全体に決定的な影響を与える。
     −決定的に重要な少数、取るに足らない多数。
  言い換えると、
     −投入した量と産出される量の間には大きな不均衡がある。
     −努力した量と結果は比例しない。

2.示唆
 SSにおける粗利益の80%は、約20%のお客さんから得られる利益が占めている。だから利益をもたらしてくれる20%のお客さんにより注意を集中することがお店の利益を安定させ拡大してゆくことになる。そのためには、
−まずその20%のお客さんが何を求めているかを正確につかむ必要がある。

だからと言って、残りの80%のお客さんへのサービスをいい加減にして、客数を大幅に減らすと、SSの利益はかえって減少する。大事な20%のお客さんが来店するのは、他のお客さんが来店しているからでもある。

3.理解・把握しなければならないこと
SS業界全体の利益の80%は20%のお店/SSが上げている。
・自分の店/
SSがその20%中に入っていないとしたら、その原因は何処にあるのか。
・お客さんが「いいなあー」と評価する価値の80%は、お店/SSが提供する内の20%のサービス・活動内容によって生まれる自分の店・SSにとっての「その20%のサービスと活動」は何か。その20%に力を注ぐことが出来ない理由は何か。

ヒント
−気がつかない内に目の前を通り過ぎようとしている問題やチャンスは何か。
−うまく行くはずがないと思っていたのに、うまく行っているものは何か。
−お客さんに喜んでもらおうと思ったわけではないのに、なぜか喜ばれているものは何か。
−最初の目標とは違う方向に進んでいる、方向を見失っているものは何か。
−お店で期日までに間に合わない時に80%の成果をあげるために必要な20%の活動は何か。

SSが取組むべきこと
−市場における核(20%)となるお客さんが誰であるかを明確にする。
−核になるお客さんには、特別サービスを提供する。
−新しい商品、サービスを考えるときには、その核となるお客さんのニーズを満足させることを開発目標にする。

▼教訓
−誰でも偉大なことを成し遂げられる。カギは努力でなくて、やるべきことが見つけられるかどうかである。
−世の中には常に勝者と敗者がいて、常に敗者のほうが多い。正しい相手、正しい味方、正しい方法を選べば、誰でも勝者になれる。
−目的が何なのかよく分からない人が多い。そういう人は、力を一点に集中せず、多方面に分散させている。よって、素晴らしいことを成し遂げるには、モノを選り分ける能力があって、一度決断したら迷わないことである。





Z.「80対20」の応用

1.人材育成

飛びぬけた成績を上げるカギは平均思考を止めて、80対20の思考に切り替えることである】
−顧客を失わない最善の方法は、「優秀な販売員」を失わないことである。
−優秀な販売員と同じタイプの従業員を雇うことである。
−優秀な販売員と他の販売員とでは、どこが違うかを調べる。
−優秀な販売員のやっている方法を全員にやらせて試してみる。
−成績優秀チームと不振チームとを入れ替え、業績が人的要因によるものか、他の要因によるものかを確認する。

【訓練・研修の方法を考える】
−成績不振の80%の販売員をみっちり鍛えれば、成績が上がるだろうか。それとも、してもしなくても同じだろうか。
例えば、訓練・研修について、
−十分な根拠があってお店に長くとどまると期待できる従業員だけを訓練、研修する。
−成績優秀者に、成績不振者の訓練を任せる。そして、その成績不振者の訓練後の成績に応じてインセンティブを支払う。
−訓練・研修を段階に分ける。第一段階で優秀な成績を上げた従業員を、次の段階の訓練を受けさせる。下位30%の従業員は打ち切る。


2.活動指針

【色々ある仕事に対する努力の「平均水準」を上げるのではなく、努力を「一点集中」にする】
−多くの分野で平均点を取るのではなく、一つの分野で突出した成績を上げる。網を広げるのではなく、網を狭める。
−現実の流れを把握しその流れに乗る。
−活動結果は「プラスとマイナス要因を相殺したもの」であり、全体像ではない。実際はプラスとマイナスが激しくせめぎあっている。マイナス要因を洗い出しそれを抑え、プラス要因に最大のパワーを与え、一気に業績を上げる。





[.「50対50」の思考を止める

1.ビジネス成長の鉄則
・価値の無いものから価値のあるものへ資源(人、もの、金)を移してゆく。
−生産性の低い分野から高い分野へ
・均衡の常識を捨てる。「20%が80%」「80%が20%」に等しい。
−常に「20%」は何かを考え、探し出し、大きく育てる。
−世の中、会社、付き合う人などあらゆるものに「貴重な20%」がある。
−宝石の20%は80%のガラクタの中に埋もれ隠れている。固定概念を捨て、その中の隙間から微かに輝くものを見逃さない。
−但し、「今日の20%」は「明日の20%」とは違う。20%に成長し、80%の価値を生み出す「1%」を探す。「先月は1%だったのに、今月は3%になっているもの」が何かを見つけ出す。


2.スター、ヒット商品の誕生
【人間でもサービス・商品でも、何か新しい力が働いて見えない一線を突破すると、あとはちょっとの油を注ぐだけで、火は一気に燃え広がる。その見えない一線が「進化への発火点」である】



                                     端山忠彦 実践SS研究会
                                 
 2007年4月度セミナーより