Vague 20 themes〜幻〜


SSSにもならない、ある人物の呟き。

「Vague 20 themes〜幻〜」より。

配布元:「穏」/霧谷さま





01 地図にもない村

 俺の生まれた場所。

 とうの昔に滅びた、国を守る村。

 人間を拒み、閉鎖された空間。



02 黒き森

 村を守る森。

 外部からのものを拒み、人為的にモンスターを生み出し

 徘徊させている場所。

 ここに、そんな価値があるのか、俺にはわからない。



03 錆びた剣

 師匠にもらった、もうひとつの剣。

 あれからもう、100年以上経つのか。



04 城下町

 人の交流が盛んな町。

 どんな出会いがあるかわからない、そんな場所。



05 海の見える宿

 俺の、俺たちのもうひとつの故郷。

 俺たちを家族と言ってくれたという、人が住んでいたところ。



06 冷たい光

 ししょーの、あのときの瞳の色。



07 竜の翼

 その異形で、母親にさえ疎まれたと聞く。

 冷たい視線を乗り越えて飛んだ彼女は強い、と思う。



08 ハーフチック(原題:ハーフエルフ。この世界観ではチック≒エルフ)

 人と同じようで、同じ時間を歩めないもの。

 チック族と同じようで、同じ時間を歩めないもの。

 誰とも時間を共有できない。

 それが、俺たち。



09 亡者の船

 魔の海域に行った船は戻らなかったという。

 玉魔の餌にされ、人々の魂はまだ彷徨っていると言う。

 それに加担していた、あのひと。



10 雪国

 かつて存在していたという国。

 大破壊で人に裏切られ、滅びた雪女たちの国。

 その怨念は、集まり、あの時消えた。

 でも、彼女たちが本当に救われたのかは、誰にもわからない。



11 漆黒の騎士

 運命を見守るもの。

 干渉せず見守るだけの、巨大な力を持ったもの。

 なにもしないなら、存在する意味はあるのか?



12 眠り人

 眠っているように見えるだけ。

 本当は…

 わかってる。でも、もうすこしだけ、そばにいさせてほしい。



13 月下の調べ

 聞こえてくるあの歌は、

 俺の友人の、想い人の歌なのかもしれない。



14 珠術使いの憂鬱(原題:魔法。珠術≒魔法)

 珠術使いになりたいだけだったのに、

 道を外れてしまった―外れざるをえなかった、あのひと。

 他に道は無かったんだろうか。

 他に、助ける方法は、無かったんだろうか。今でも思う。



15 回復薬

 剣も珠術も使えなかった友人が、

 なんとか見つけた戦う方法。

 でも、それが活かされるときは、こないまま。



16 精霊の宿る木

 世界の中心の大きな森の、さらに中心にあるという樹。

 森が燃やされても、その樹の命はわずかに残っていたという。

 この世界の根幹なのかもしれない。



17 破れたマント

 これが、俺の、歩いてきた道。



18 天空に浮かぶ都市

 住む者がいなくなっても、浮かび続けていた。

 そして、俺の生まれた村は、それを守り続けていた。

 幾千年も昔から、ずっと変わらない。

 そして、きっと、これからも。



19 暁闇 (月のない明け方)

 師匠とあいつが剣を交えたあの日も、

 こんな空の色をしていたっけ。



20 最果ての地

 友人が、命を賭けて開いた道。

 俺たちの旅の終わりで、最初だった場所。

 万能の者が、万能の石を落とし、俺たちをあざ笑っていた、場所。









<あとがき>

 お題なのに、コメントがばーっと閃いてしまったので、

実行してしまいました。

 これでカンベンしてください。