子供とあゆむ足跡から


第19集 パソコン世代の子供たち

子供たちとパソコンの出会いについての話です(’99年10月作成)。


 最近はあちこちでインターネット、電子メールという言葉を聞くようになりました。近い将来には、インターネット上での銀行の手続きや商品選びが一般的になるともいわれています。インターネットに必要となるパソコンも、以前は高価なおもちゃであったものが、家電並の値段に下がってきています。しかも、値段が下がっても性能は上がるという進歩のいちじるしい不思議な商品です。仕事をする道具としては、すでに多くの人にとって欠かせないものとなっていますが、安くなったおかげで、普通の家庭にもどんどん入り込んでくるようになりました。

 当然、子供たちの教育にもパソコンは取り入れられるようになってきています。春先に転入したこの地域の小学校では、すでにパソコン教室が作られており、高学年になると授業としてパソコンの時間が設けられています。パソコンそのものの仕組みはわからなくても、そこはテレビゲーム世代の子供たちです。ウィンドウズの表示を見ながらマウスをあやつって、すいすいと次の画面に移っていきます。ですから、ゲームやお絵かきのようなマウスだけで動かせるソフトは、あまり苦労することなく使えるようです。でも、ワープロやメールなど本格的な文章を使いこなそうとすれば、どうしてもキーボードの入力を覚える必要があります。

 学校ではそのあたりをどうするのかな、と思っていたら、子供がキーボードの絵を印刷したプリントを持ち帰ってきました。「あいうえお」や「あかさたな」で使うキーに印をつけていくのが宿題になったそうです。かな入力でなく、ローマ字入力で教えているようです。まだ、アルファベットすらちゃんと覚えていない子供には、少し難しいかなとも思いますが、どうせ覚えるならアルファベット配置を覚えた方が、たしかに今後のために役にたつのでしょう。でも、大人にもあるキーボードアレルギーに子供のころから掛かってしまわないか、ちょっと心配です。

 学校教育というものは、せっかくのおもしろいものでも、つまらなく教えてしまうところがあります。多分その理由の一つは、はじめから理屈っぽく教え込もうとするところではないでしょうか。外国語教育で、文法を知らなくても話はできるのに、最初から正しい表現を使わせようとするようなところです。パソコンのような新しいものは、まずさわって、使ってその面白さを味わうことだけでも十分だと思います。指1本で、キーの位置を探しながら時間をかけて短い文章を作ることも、子供たちにとってはおもしろいことなのですから。

 私もこれまでは、パソコンが安くなったとは言ってもただのゲーム機に比べてまだまだ高価だし、必要となるのは先のことだと思っていました。でも、せっかくの機会ですから、我が家の子供たち専用のパソコンを1台買うことにしました。習うよりは身近にあって慣れる方が、ずっと効果的なやり方だと思うからです。さてさて、子供たちがどう使うようになるのか、たのしみに見守っていくつもりです。まあ、当面はただのゲーム機にしかならないかもしれませんけどね。


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