子供とあゆむ足跡から


第26集 情報の洪水におぼれないために

インターネット時代の情報とのつきあい方について考えてみました(’00年8月作成)。


【インターネット時代とは】

 インターネット上にこのホームページ(HP)を開いてから、まったくの面識がない人からもメールをもらうようになりました。それは、幼稚園探しをしているお母さんだったり、地域への出店を考えている企業だったりします。そして、それらの人たちは、かなりの割合で、自分たちのHPを持ち、自分の意見や会社の広告を発信しています。数年前までは、オプションとして別料金を取っていた個人向けのHPサービスも、ほとんどのプロバイダーが基本料金の中に含めるようになりました。広告が挿入されることをいやがらなければ、維持費は無料でHPを持つこともできます。
 インターネットが広まることによって、世界中の多くの人がメールでコミュニケーションをとり、HPで情報を発信するようになったのです。そしてそのHPは、だれの検閲を受けることもなく、自分の言いたいことを書き込むことが出来るのです。

 時代に取り残されそうになっている小中学校でも、ようやくパソコンの授業が一般的になってきました。インターネットの仕組みも良くわからない先生が、一生懸命パソコンの使い方を子供たちに教えています。ゲーム機のコントローラを使うのに慣れた子供たちは、すいすいとマウスを操ってネットサーフィンを楽しんでいますが、キーボードアレルギーに陥った先生たちは、予期しない操作エラーが起こるたびにパニックになり、どちらが先生なのかわからないこともあります。新しい技術が一般社会に取り入れられたことを受けての、一時的な教育現場の混乱とも言えるでしょう。
 これが単なる新しい技術や技能であれば、いずれは教え方もこなれていきます。でも、インターネットの進展は、私たちに単なるパソコンの技術習得だけではなく、まったく新しい情報教育の必要性を求めているように思えます。

 従来の、新聞記事やテレビニュースで流される情報は、その道のプロによって選ばれ、場合によっては裏付けまで取った上で発信されています。それに対し、インターネットで個々が発信する情報は、ほとんどが個人の判断によって選ばれたものです。例えば、駅前のラーメン屋について、ある人は美味しいと言い、ある人をまずいと書くこともあるわけです。かつては、その道の専門家や、グルメと称する人たちが選んだ三ツ星レストランがガイドブックに載るだけだったのに比べ、大きな変化と思われます。これが、単なる味の評価であれば好みの差と言うことも出来ますが、病院や医者の善し悪しとなると、好き嫌いだけでは済まない深刻な問題ともなりえます。結局は、HPを見る私たち自身で、書かれた情報の内容の是非を判断し、有益な情報を選び出すことが求められるようになったのです。

 


【我が家のインターネット創世紀】

 さて、わが家の場合、今年になって中学生の子供に自由に使えるパソコンを与えました。電話モデムを設定して、インターネットにもつなげるようになっています。最初は、もっぱらゲーム機となっていましたが、すぐにネットサーフィンのやり方を覚え、あちこちのページを見始めました。
 ここで蛇足ですが、失敗談をひとつ。HPのなかには、プログラムをダウンロードして、それを実施するような手順を親切に説明しているところがあります。あやしげな内容のページがほとんどですが、このプログラムがくせもので、いつのまにか新たなダイアルアップ接続の設定が行われていたりします。だいたい、この接続先がダイヤルQ2の番号であり、いつのまにかお金を取られるしくみになっています。これまでは、子供たちが自由に使える電話はなかったので、特にダイヤルQ2の対策をしていませんでした。子供のパソコンに変なアイコンが増えているのに気がついて、あわててQ2の使用禁止を電話局に申請しましたが、数回使用された後でした。まあ、多少の授業料はしかたがないと、あきらめましたがちょっとした不覚でした。接続の制限は局への電話一本で出来ますので、特にQ2を利用されることのない家庭では、日常的に設定することをおすすめします。

 子供がネットサーフィンで見るページは、ポケモンやひいきの球団の情報ページなどです。最近は、ネットゲームのページにもこっているようです。時にはアダルトページをのぞいていることもあるようですが、いずれは見つけるものであろうことから、特にガードはしていません。自分自身で、雑多な情報の中を泳ぎまわってみることも、必要な経験だろうと思っています。このような経験を通して、情報の内容の見極め方も養われるのでは、と期待もしています。
 HP情報の選択方法、内容の評価手段については、まだ、これという決まったものはありませんので、無駄であってもいろいろと試してみて、少しづつ慣れていくしかないと思っています。

 そういう大人の側も、まだまだTVの流す芸能界ゴシップ情報に踊らされているわけですから、情報処理能力は子供と大差はないのかもしれませんね。

 


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