子供とあゆむ足跡から


第35集 ビーズの向こうに見えたのも

ビーズ飾りづくりで娘がみせた成長の一面についてです(’01年9月作成)。


 ビーズというのは、単なる女の子の遊びのひとつだと思っていました。しかし、ビーダマやメンコとはまるで違ったものであることを、最近になって知りました。夏休みの週末、ネット仲間の一人が先生役になり、親子数組があつまって、ビーズアクセサリーを作る集いが開かれたのです。私は、妻と娘のアッシー君としてついていっただけだったので、何を作るのかも聞いていませんでした。しかし、単なる見学者ではすまなかったのです。

 用意されていた説明図は、子供向けには簡単なハート型のかざりでしたが、大人向けには約80個のビーズを立体的に組みあげて、厚みのあるハートのモチーフを作る本格的なものでした。ビーズ飾りがここまで奥深いものであることを、初めて知ることになったわけです。娘のつきそいのつもりであった妻も、まったくの初心者であり、この難しいハートづくりに悪戦苦闘となってしまいました。とても、娘の相手をする余裕はありません。そこで私が、娘の手助けをすることになりました。

 子供向けのものは作り方も簡単で、30個ばかりのビーズをテグスではしご型に編みあげた後、まるく輪にして中をいくつかのビーズで埋めて、外形をハート型にするものでした。説明の図さえ理解出来れば、たいして難しい部分もありません。小さなビーズの穴も、娘にまかせればスイスイと器用にテグスを通していきます。かざりができあがると、首からさげるためのビーズの輪づくりにうつり、私はお役ご免となりました。

 ところがこの時、隣の妻は、まだ組立の初めの段階でよく分からず四苦八苦していました。私にも説明図を見せられましたが、立体的な構造を平面で説明してあるため、個々のビーズの位置関係がよく分かりません。一度テグスで組みあわせたビーズに、後からさらにテグスを通して別のビーズと組みあわせるなど、丸みのある立体的な形を出すために複雑な作り方が求められます。

 ここから、先生役のアドバイスを聞いたり、完成品と比べてみたりしながら、二人で、あーでもない、こーでもないと、試行錯誤することになってしまいました。初めの部分で、間違えに気がついてばらしたり、組んだりを繰り返して時間を取られ、結局、半分も行かないところで、時間切れとなってしまいました。一方、娘は、と見ると、後半はほとんど親にかまってもらえなかったのにもかかわらず、一人もくもくとビーズの輪づくりを進め、ちゃんと出きあがっていました。

 何をやるにしても、集中力というのは大切な要素です。いつのまにか娘にも、数時間の手作業を十分続けられるだけの集中力が身についていたわけです。学校の勉強も大切ですが、好きなことを好きなだけやらせてあげる時間、子供にとってはこれも必要なものであることをあらためて感じました。

 ところで、作りかけになってしまったハートのモチーフですが、未完成でほっておくわけにもいかず、家に戻ってからなんとか完成までこぎつけました。写真をのせておきますが、クリスタルのビーズを使っているので、なかなかきれいなものですよね。


   


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