ニュータウンあれこれ
第2話につづき、PTAの設立の具体的な作業に関する内容をまとめてみました。
(’98年1月作成)
設立への気運が盛りあがったら、有志による組織(設立準備会議)を発足することになります。メンバーは、地域や学年などできるだけ広い範囲から集め、学校側の代表にも参加してもらいます。
活動は、ペーパーワークと打ちあわせが主になりますが、それでもコピー代や通信費などいくらかのお金が必要となります。親校のPTAからの引き継ぎ金があれば、それを使用できますが、なければ通信費はもちだし、コピーは学校のお世話になってというような、ちょっと大変な場合もありえます。引き継ぎの良し悪しは、こんなところにも影響を与えてしまいます。
この中で決めることとしては、
☆活動目的 ; 範囲(学内、学外等)、対象(子供、親、先生)
☆活動内容 ; 主な行事、年間の活動計画
☆組織形態 ; 役員の構成、委員会の種類、委員の選出方法
☆会計規模 ; 会費額
などがあります。上記以外にも、学校開放などの地域との関係、外部のPTA組織との関係をどうするかを決める必要もありますが、これらの対外的なものは、PTA発足後に実際の活動を行う役員が判断したほうが、いいかもしれません。
検討のしかたとしては、まず親校や周辺の学校の組織や問題点の調査、内容の分析と改善案の検討、方向の決定というような順序になるかと思います。この間には、一般の会員予定の人たちへのアンケートや、意見収集も行うことになるでしょう。いかに多くの人に関心を持って参加してもらえるか、これは設立後の活動内容に大きな影響を及ぼします。準備のころから関心を持って参加してもらう工夫が、ぜひとも必要です。
いろいろな検討の結果は、最終的にはPTA規約の文章として、まとめることになります。最近区内では、委員会の数を減らし、組織を出来るだけ簡素にしておく方が好まれるようです。これは、地域における文化活動がいろいろな形で盛んになってきたため、ママさんコーラスなどの親を対象とする活動を、かならずしもサポートしなくてもよくなってきたこともあります。しかし、もっと大きな理由としては、フルタイムやパートタイムでの仕事を持つ母親が増え、平日昼間のPTA活動に関われる人の割合が減ってきたことや、ニュータウンの特徴として新しい住人が多く、人の出入りも頻繁にあるため、我が子以外の学校全体のことになかなか関心を持ってもらえない、というような切実な問題もはらんでいます。
そこで、日常の子供の学校生活サポートを中心に、クラス代表よりなる学年学級委員会と、学区内の各地域の代表よりなる校外委員会の2つのみを、常設の委員会とし、その上に会長や副会長などの役員による運営会議を設けるだけの、簡素な組織も考えられました。都筑区内では3校がこの構成で、いずれも比較的新しくできた学校です。
しかし、実際の活動では、広報活動や学校行事の手伝いなど、2委員会ではまかないきれない部分も多く出てきます。これらを、自主的なボランティアで実施することも考えられますが、委員との役割分担や継続的な活動をどうするかなど、考えるべき問題も少なくありません。
まずは、簡素な組織でスタートし、必要に応じて見直していくという形が、現実的かもしれません。
検討が煮詰まって、規約案が出来上がってくると、いよいよ初年度のPTAの役員や委員を決める段階へと進みます。準備会議のメンバーから選出することも考えられますが、できれば新しく決める予定の規約に従って選出したほうが、後がスムーズに進められます。多くは、推薦委員会を組織して、人選をすすめることになります。
初年度は、まだまだ決まってないことが多くありますので、宿題事項や未決項目は準備会議より申し送りをするほうがいいと思います。ただし、最終的な判断は新しい役員にゆだねるべきでしょう。
最後に、一般会員による総会を開催し、規約と初年度役員を承認してもらい、ようやく正式なPTA発足となります。ここまで、順調に進んでも半年以上の期間が必要となります。しかし、この段階で十分な検討をしておかないと、発足後の早々に規約見直しなどが生じることになり、本来のPTA活動が十分できないことにもつながります。それでも、新年度がスタートする前に発足しないと、次の一年間が無駄になってしまいますので、なかなか加減が難しいところです。
あとは、一般会員の協力を祈るだけとなります。
新設にあたっては、今のPTAがかかえるいろいろな問題が見えてきます。とくに、どのようにして多くの人に関心をもって活動し参加してもらうか、委員を引き受けてもらうか、今どこのPTAも同じ悩みを抱えています。みんなが、我が子にかける思いの一部を、まわりの子供にもかけてあげられるようになれば、もっと素敵なPTAができるのにと思います。これからのPTAについて、みんなで考えて行けたらと切に希望しています。
読みにくい駄文がつづいてしまいましたが、なにかのお役に立てる内容があれば幸いです。