ニュータウンあれこれ


第4話 都筑区の町内会自治会について

 区内の町内会や自治会の組織について、今のあらましをまとめてみました。(’98年1月作成)

【地域の特徴】

 大規模な新しい住宅地の開発により、横浜都民と言われるようなサラリーマン家庭が多いことが、港北ニュータウンをかかえる都筑区の特徴です。

 しかし、そんなところでありながら、昔ながらのご近所づきあいによる町内会や自治会の組織が、案外しっかりと残っています。これは、もともとふるくから農業中心のコミュニティーがあった地域のなかに、それを壊すことなく、比較的時間をかけて開発がすすんできたことにもよるようです。古い町内会組織をもとにして、新しい住民によって作られた町内会または自治会が、少しずつその輪に加わることで、今の住民組織がかたちづくられています。

 ただ、新しい集合住宅などでは、まだまだ町内会自治会が無いところも多くあります。それらの中から育ったコニュニティーが増えていけば、従来の町内会とはちがった面も増えていきそうです。

【町内会組織のしくみ】

 子育てサークルや緑の保存運動のような、地域の枠にとらわれることなく、同じ環境の人たちが集まって、組織的に活動を行っている例も数多くあります。しかしここでは、従来の地域ごとの町内会にもとずく組織について取り上げます。

 地区単位で作られた、町内会あるいは自治会と呼ばれるものは、都筑区内には85あります。小さいもので約50戸、大きいものでは約2000戸が所属しています。区内の全世帯数に対する所属世帯数は、約75%となっています。この町内会・自治会がいくつか集まって、連合町内会または連合自治会とよばれる組織が設けられています。3年前の都筑区の発足に合わせて、それまでの町内会組織が見直され、現在は13の連合町内会自治会が作られています。ただし、まだどこの連合にも所属していない町内会も15ありますし、これから作られる地域の町内会と合わせて、まだ増えていくと思われます。

 この13の連合町内会自治会が集まって、都筑区連合町内会自治会(通称;区連会)が組織されています。事務局は区役所の地域振興課の設けられており、住民組織の中心となっています。

          都筑区連合町内会自治会
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    地区連合町内会 地区連合自治会 ・ ・ ・ ・   [13地区]
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  町内会 町内会・・ 自治会 自治会・・ ・・ ・・ [所属70会、未所属15会]
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 各戸 各戸 ・・  ・・  ・・  ・・ ・・ ・・[所属34,000戸、未所属11,000戸]



 区連会は毎月一回、区役所会議室において、区長や警察署長をはじめさまざまな行政側の担当を交えた定例会を行っています。この会議では、行政からの予定や依頼事項、地域からの要望事項などが協議され、この結果を踏まえて区の行政や行事が行われています。

 さらに、付随する専門組織として、町内会または連合町内会の地区ごとに選出された委員によるものがいくつかあります。

   ☆都筑区社会福祉協議会(地区社会福祉協議会)
   ☆都筑区民生児童委員協議会(地区民生児童委員)
   ☆都筑区青少年指導員連絡協議会(地区青少年指導員)
   ☆都筑区体育指導委員連絡協議会(地区体育指導委員)

 これ以外にも、保護司会、明るい選挙推進協議会、交通安全協会など、行政に関係したさまざまな組織がもうけられています。また、町内会の役員や地区の委員は、当然のことながら住民のボランティア的活動によって支えられています。

【住民組織の役目】

 私の行政についての一般的な知識は、十分ではありませんので、本来の姿とかあるべき役割とかをここでは述べられませんが、区内の現状についていくつか記してみます。

 どこの地方においても、何らかの町内会組織が出来ているようですが、それは、いまの地方行政が、地域ごとの住民組織があることを前提として成り立っていることも、大きな理由のひとつと思われます。もっとおおげさに言ってしまえば、組織がある場合とない場合では、住民が受けられるサービスに違いができるということです。町内会自治会そのものは、任意の団体ですので、特に作らなければいけないことはありません。しかし、行政側が地域住民代表としてみなせる一般的組織が他には無いため、いろんな面で行政サービスの補助的役目をになっています。

 例えば、行政広報紙の配布、地域のお年寄への慰労金配布、交通安全等のキャンペーン、投票所の立ち会い人、マラソンコースの沿道警備、共同募金の集金、防災避難所の運営などなど・・・・・・。いくらかの謝礼が用意される場合もありますが、大半の労力はボランティアでまかなわれることになります。おらが地域のためになるなら、というむかしながらの郷土愛精神に期待しているような面もあるかもしれません。

 でも、新しい自治会や町内会では年齢層の若い住民が多いため、時間的に提供出来る労力には限りがあります。いろいろな活動において、なかなか人材を確保するのが難しくなってきているのが現状です。

 これらのサービスに協力する反面、町内会自治会は、行政に対するいろいろな要望を提案する窓口となっています。ある面では、区行政に対する強い発言団体ともいえましょうか。

【今後のありかたについて】

 いまはまだ、むかしながらの町内会のスタイルが色濃く残っています。しかし、今後この地域の大多数を占めるであろう、新しい住民のライフスタイルに合わせた組織も、そろそろ考える必要があるかと思います。

 ニュータウン内においては、すでに町内会の枠をこえた組織が数多く生まれています。演劇など文化活動を目指すもの、スポーツの愛好会、緑地の保存会、ミニコミ紙のサークル、福祉ケアサービスのサークル、そしてネットワーク上にのみ存在するバーチャルサークル。これらは、まだ地域組織との連携は少なく、個々の独立した活動となっています。しかし、これらの活動のエネルギーは、従来の町内会組織に負けず劣らず、盛んになるものがあるように見えます。

 そのような新しいエネルギーをうまく生かせないか、そして町内会自治会の組織をそれらを受け入れられるようにできないか、これから答えを探さなければいけない大切な問題だと考えています。既に一部の地域では、夏祭りなどの行事での連携をはかったり、区がバックアップしていろいろな団体を集めての文化祭を催したりと、いくつかの試みが行われています。

 みなさんは、これからの町内会自治会が、どうあるべきだと思われるでしょうか。


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