ニュータウンあれこれ
たき火は、緑の多いニュータウン内で実施するのにふさわしい冬のイベントでしょう。何回か実施した経験をもとに、実用的なマニュアルを作ってみました。(‘98年2月作成)
空き地があるからといって、やたらと火をたくわけにはいきません。また、煙や灰が風で飛ぶこともありますので、周りに迷惑がかからないようにしなければいけません。条件としては以下のような所が適当でしょうか。
○近接する民家があまりない場所であること
○運動場のような地べたがあること →草地ではあとがのこります
○近くに水場があること →安全からもあとしまつのためにも必要です
○たき木を集められる林が近くにあること
○公園であれば、愛護会などの管理者の許可が得られること
→大がかりなたき火の場合は、消防署への届け出も必要です
○できれば、トイレが近くにあること
ニュータウンには、このような条件に合う公園や空き地が、緑地帯の中にけっこう点在しています。
まずは、たき火に使うものからです。
軍手 | けがの防止にもやけどの防止にも大切な一品です。 |
枝打ち用のノコギリ | 長い枝を切りそろえるのにあれば便利です。 |
ひもとはさみ | 集めた枝をしばって運ぶとき使います。 |
新聞紙 | たきつけよう、最低1日分。 |
ライター | 言わずと知れた火付け用。 |
ばけつ | 水のくみ置きやあとしまつにも使います。 |
ごみばさみ | たき木をくべたり火の中のものを取り出すのにつかいます。 |
スコップ | 灰のあとしまつに必要です。 |
竹ぼうき | あれば便利な一品で、散らばった枯れ葉や小枝をはき寄せるのにつかいます。 |
ごみぶくろ | 燃えないごみやプラスチック類は待ちかえりましょう。ついでに公園内のごみ拾いも行うと、あとあと喜ばれます。 |
着るものは、化繊をつかった溶けやすいヤッケなどは避けるようにします。火の粉を浴びると簡単に穴が空いてしまいます。
つぎにやきいもの関係です。
いも | 種類はベニアズマが最適です。冬場にはだいたいどこのスーパーでも手に入るようです。Lサイズ程度が手ごろでしょうが、直径10cmを越えるようなLLサイズでも十分おいしく焼きあがります。 |
新聞紙 | いもに巻きつけますので数に応じて用意してください。 |
アルミホイール | 家庭用の1ロール(8m)でLサイズ10個程度をカバーできます。 |
のみもの | おいもを食べるときに欲しくなります。いもがあつあつなので、冷たいウーロン茶などのペットボトルなどが適当でしょうか。この場合は、コップの用意も忘れないように。 |
いも以外にもお餅など、お好みでいっしょに焼くことができますが、火の中にくべて焼けるものが扱いやすいと思います。
(1)たき木集め
枯れ枝や倒木など、たき木になるものを集めます。
細目の枝が扱いやすいですが、たき火のもちを良くするには、手で握れる程度の太めの枝もあった方が良いです。枯れ葉や落ち葉は、火の付きが良くたき付けに便利ですが、量の割にはすぐ燃え切ってしまします。紙や段ボールは、火にあおられて舞い上がりやすいので、あまり使わない方が良いでしょう。
量としては、10人程度でも一抱えの枝の束が5個以上は必要です。ただ、途中で足りなくなりそうになったら、また集めれば十分です。
(2)たき付け
火を付ける前に、安全のためばけつに水をくみ置いておきます。
太めの枝をくみ上げ、中に燃えやすい乾いた小枝を置きます。新聞紙を丸めてぞうきんのように絞っておき、端に火を付け、小枝の中に差し込みます。くちゃくちゃと丸めただけでは、あっと言う間に燃え尽きてしまいます。葉の付いた枝を使うのも、火がつきやすくなります。
(3)いもの下準備
いも1本づつ、水でぬらした新聞紙を巻き付け、その上からアルミホイールで覆います。多少、ホイールがたき火の中でむけることがあっても、皮が焦げる程度で中身が燃えることはありません。
(4)いもの投入
ひとしきりたき火が燃え上がってきたら、もういつでもいもの投入ができます。いも以外におもちなどを一緒に焼こうとすると、炎がある程度おさまったおき火の状態の方がうまく焼けるかもしれません。ただ、おき火状態になるまでに結構時間がかかりますので、やきいもであれば最初のたき木に火が回れば、たき木の上から投げ入れてしまってかまいません。
(5)たきこみ
火力を維持するように、順次たき木を上から足していきます。灰がたまってきたり、枯れ葉を大量にくべたりすると、中の燃え方が悪くなりますので、時々下からたき木をつっこんで持ち上げるようにして空間を作り、空気の通り道を作ってやると、まんべんなく燃えるようになります。
待っている時間は、公園のゴミ拾いでもしておきましょう。
(6)いもの取り出し
Lサイズですと、1時間程度でだいたい焼き上がります。いもを1つ取り出して外側からつまんでみます。焼き上がっていれば、ふかふかと柔らかい感触に変わっているはずです。試しに1つ割ってみて、中心まで火が通っていれば出来上がり。そのまま入れておいても、やけすぎることはありませんから、まず必要な人数の分だけ取り出してほくほく状態で食べましょう。いもの皮は、たき火に戻せば燃えますが、アルミホイールは燃えませんのでゴミ入れへ。
(7)遠赤外線浴
たき火の炎が落ちて、炭火状態(おき火)になってからの暖が格別です。うっかり焼きすぎて、顔がたき火やけをしないように注意しましょう。たき火のまわりに散らばっている小枝や落ち葉は、竹ほおきなどで掃き寄せて、きれいに燃やしてしまします。
(8)あとしまつ
終わりよければすべて良し、というわけで、たき火もあとしまつが大切です。
あらかた灰になったら、いよいよあとしまつです。炭灰になってから完全に燃え尽きるのにはかなり時間がかかりますので、まずは、スコップで炭灰を薄く広げて燃える尽きるのを早めます。あらかた燃え切ったら、水をかけて完全に消してしまいます。あまり焦って早く水をかけますと、灰が舞い上がってしまいますので注意して下さい。残った炭灰は、園芸肥料用として最適です。もし、使うの人がいれば、ゴミ袋に入れて持って帰ります。そうでなければ、近くの植木の根本など、適当な場所に穴を掘って埋めてしまうのが安全でしょう。最後に、たき火をした地面に散水をしておきましょう。
残ったゴミを持ち帰って、無事終了となります。