ニュータウンあれこれ
企画の次に大切なのが、実際の運営におけるノウハウです。プログラムには記載されないさまざまな裏方さんが祭りを支えています。そんな裏方の話を中心にまとめてみました。(’98年9月作成)
【雨がふったら】
内容について決めたら後は実行するだけとなりますが、ある程度の規模の祭りとなると、いざという時のことを考えておく必要があります。まずは、雨のときにどうするかです。普通は翌日に延ばすのが順当ですが、日曜の祭りを月曜に開催というのも、手伝う人や参加者に無理があります。そうなると、最初の予定を土曜日にするほうが無難でしょうか。土日の2日間の祭りであれば、雨が降った日は中止とするか、あらかじめ2日間とも雨の予報であれば、早めに翌週へ繰り延べるのが賢明です。
ただし、プロの出演者がいたりすると、雨に備えて2日分のスケジュールを押さえるのも難しくなります。最初に依頼をするときに、費用面を含めてどうするかはっきり決めておかないと、後々トラブルの元になりかねません。ステージショーであれば、雨に備えて体育館のような屋内の場所を確保しておくのも、一つの方法です。
【裏方の裏方】
さらに、もっと万が一の備えとして、保険を利用することも出来ます。祭りの準備や片付けにおける事故やけが、もぎ店での食中毒、雨で中止の場合の費用損失など、十分とは行きませんがある程度の補償金をもらうことが出来ます。自治会や町内会であれば、年間を通しての活動に「自治会保険」のような障害保険を掛けることができます。自治会主催の祭りであれば、この保険でカバーすることができます。たかが祭りに、と思われるかもしれませんが、なんの対策もせずに参加者に事故など起こってしまったら、主催者側の責任が問われることもあります。ころばぬ先の杖として、ぜひ検討しておいてほしいと思います。保証の額が数十万から数百万であれば、1年間契約で10万円程度の保険料ですみます。
【いよいよ当日に向かって】
いくつものプログラムが同時進行するような祭りでは、担当者の分担を含むスケジュール表を作成して全員に配布をしておきます。もぎ店や受付だけでなく、全体の運営に対して以下のような担当者を決めておくと良いと思います。
・スケジュール担当
当日の運営については担当者を一人決めておき、スケジュールや予定から外れることが起こったらそこに情報を集めて対応のしかたを判断するのが良いようです。十分に準備をしたつもりでも、渋滞で器材の搬入が遅れるなどの不測の事態が、往々にして起こるものです。そのたびの責任者を集めて話し合いというわけにも行きませんので、経験豊富な方がいらっしゃれば、迅速な対応をしていただくほうが、時間に追われるような当日の運営には有効だと思われます。
・ゴミ箱設置担当
もぎ店の周辺だけでなく、会場内への主要な箇所にごみ箱を用意します。ゴミは出来るだけ持って帰ってほしいものですが、子供が多い祭りではなかなかそうはいきません。せめて、後の掃除が大変にならないように、目に付くところにゴミ箱を置いておきます。
・交通安全担当
車の往来などで危険なところがあれば、交通安全のチェックの係りを決めておきます。車と歩行者の横断箇所があれば、何人かで交代して整理をします。
・会計担当
当日もかなりの現金出入りがありますので、現金を持ち歩いて出納を世話する人を決めておきます。不特定多数の人が祭りの会場に出入しますので、現金は本部のテントで常に身に付けているのがもっとも安全です。
・写真担当
会場の設営状態、テントなどの配置、参加者の人数や流れなど、運営側の記録となるような写真を撮っておくと、のちのちの参考となります。
いよいよ当日、朝起きたらまず気になるのが天気予報。祭りの実施の有無を最終確認するため、当日の準備をスタートする前の早い時間に、主要メンバーによる打ちあわせをあらかじめ設定しておきます。これでゴーサインが出れば、あとは一日体力勝負の裏方に徹することになります。
【祭りの後始末】
運営のメンバーは祭りが終わってもまだまだ気が抜けません。
・設備撤去
当日に出来るものは限られます。特に大型の設備や電気配線などは、翌日以降の作業となります。この片付けの予定も忘れずにスケジュールに入れておきます。準備は人手があったけど、片付けが人が集まらなくて...ということにならないように。一年間使われないような設備は、適当に汚れを落としてしまいます。
・会計計算
立替分などは、祭りの翌日ぐらいには清算をすませます。売上の小銭は、そのまま口座のある銀行に持っていけば、機械で数えてもらえます。最後の運営委員会で残金または不足金の処理について決めることになります。
・反省会
実際にプログラムを行ってみて気が付くことが多くあります。しかし、時間が経つと印象が薄れてしまい、せっかくの経験を十分に次の機会に生かすことが出来なくなります。なるべく早い時期に反省会を開き、問題点や改善点などをまとめておきます。参加人数や売上なども次の準備の参考となります。
以上、私の経験から思いつくままの内容を並べてみました。祭りの規模や主催者の構成によっても、かなり内容は異なってくることと思います。なにかの参考となれば幸いです。
(おわり)