人生なんて、長い時間をかけて命を食いつぶすようなものかも知れない……。


 都筑大介

 青春譜1969

青春譜1.黄色い嘴(くちばし)
青春譜2.藍(あお)い妄想
青春譜3.朱(あか)い思い
青春譜4.友の情は白




小さな田舎町を出て、群衆ひしめく大都会でアクセク働いた。
生臭い人いきれにむせながら力強く生きようと誓い、明日の夢を追った。

でも、都会にぼくの夢はなかった。
そのことに落胆して、ぼくは元いた田舎町にもどった。
そして、爽やかな自然に埋もれてのんびりと、日々なにげなく生きている。
しかし、ここにも夢はない。今のこの時があるだけ。
人生なんて、長い時間をかけて命を食いつぶすようなものに思えた。

愛してくれたキミに、ぼくは何もしてやれなかった。
芽生えた愛はまだこの胸の中に息づいている。
だけど、その愛を育てる勇気が今のぼくにはない。
人生なんて、長い時間をかけて命を食いつぶすものかもしれないから。