幻想花 〜志津という女の物語〜

 風変わりな初老の作家にたまたま出会った小説家志望の青年は、その作家の自宅に足しげく通うようになった。そんなある日のこと、整理を頼まれた資料の山の中から黄ばんだ原稿用紙の束を見つける。そこには、美しくも哀しい女性の物語が綴られていた。

                「幻冬舎アウトロー大賞」第二回最終選考進出作品

             目 次

第一章  美しい人
第二章  古ぼけた茶封筒
第三章  逢魔の刻
第四章  心惹かれて
第五章  売られた女
第六章  自分の物語
第七章  縛られ人形
第八章  蜘蛛の糸
第九章  地下シェルター
第十章  逃 亡
第十一章 哀しい縄女
第十二章 一幕芝居
最終章  白磁に咲いた桜



         
           主な登場人物

ボ ク       ・・・小説家志望の青年

出雲雨息斎先生・・・怪しい初老の作家

出雲先生の奥様・・・和服のよく似合う美人

中澤 志津   ・・・物語のヒロイン

蛭田 和幸   ・・・志津の亡夫の元上司

殿村 昭吾   ・・・政財界を裏で操る老人

島野 健史   ・・・殿村昭吾の秘書

殿村 昭二   ・・・殿村昭吾の次男