第4章 パリからバルセロナへ

September 8, 2006


バスを降りる。

朝日に照らされながらタラップの階段を登る。


バルセロナに向かう飛行機は、

エアバスA318という130人くらいしか乗れない小さな飛行機だ。


6:40にシャルル・ド・ゴール空港を発つ、

エールフランス1048便 バルセロナ行き。


 


動き出した機体は、空港内をぐるぐる移動する。

シャルル・ド・ゴールはめちゃくちゃ広い!

いったい、いつ離陸するんだって感じだ。


俺の席は、一番後ろの窓側。

窓側に感謝!


席につくまでに他の乗客を見たが、

どうやらこの飛行機の中には、

日本人は、いや東洋人は俺1人だけのようだ。


アナウンスが始まる。

エールフランスだから、まずフランス語。

次に英語、続いて到着地のスペイン語。


当たり前だが、

日本語のアナウンスなんてあるわけない!

さぁ、いよいよ言語的孤立の世界に突入だ!


恐いもの見たさというか、

普段の日常では起こり得ない状態というか、

そんな世界に足を踏み入れてみたいと日頃思っていたので、

ちょっとワクワクしていた。


だが、もしこの飛行機内に、

異常を知らせるアナウンスが流れたとしても、

それは俺には解釈できない。

そう考えると半分度胸試だ。


でも、異常なことなんか起こらなくたって、

誰も予想出来ないことっていうのは、

いつだって起こりえるものなのだと、

俺は常日頃から思っている。


人間の予想できることなんて、たいしたことないんだしね。

そう、何が起こるのか、わからないのが人生じゃないか?


それなら、どんな事が起ころうとも、

その場を楽しんでしまえばいいじゃないか!

常に楽しめるように、考え方を変えればいいじゃないか!

それが俺のモットーだ!


だから、

『この世を楽しみたければ心を磨け!』

これは、この旅のテーマのひとつでもある。


離陸した飛行機の窓からは、

朝日に映えるフランスの風景がきれいだ。


パッチワークのように大小の畑が広がる。

フランスはファッションや芸術が有名だけど、

実は欧州有数の大農業国だ。


隣の席には、フランス人の女の子が2人。

バルセロナの地図を広げて、何やら話しをしている。

ちょいと数時間で外国に行けちゃうのが、

ヨーロッパの羨ましいところだ。


朝の軽食が出てきた。

クロワッサン2つに、チーズ。


パリまで乗っていた便で朝食を食ってたから、

腹はぜんぜん減ってなかったけど、

クロワッサンを1個だけ食った。


客室乗務員が飲み物を聞いてきた。

もちろんフランス語だ。


英語で何があるか聞こうかとも思ったけど、

女の子の頭上を介しての会話だし、

面倒くさかったのもあって、

隣の女の子のカップを指さした。


褐色に見えたのでコーヒーかと思ったら、

ショコラだった。

その甘〜いのなんのって。


窓の外に、雲の切れ間からオレンジ色に輝く海が見えた。

地中海だ!


ということは、海の向こうはアフリカじゃん!

そこまで見えるのか?


見えるわけはないが、

ここはアフリカ大陸まで数百キロの位置。

アフリカが見えるか見えないかなんて思えることって

日本人にとってスゲーことだ。


バルセロナはもうすぐそこだ。


 

  (写真)機内でもらったクラッカー



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第1章 旅立ち

第2章 エールフランス

第3章 欧州上陸

第4章 パリからバルセロナへ

第5章 来たぜバルセロナ!

第6章 聖地カンプノウ

第7章 言葉の壁

第8章 街へ

第9章 地中海

第10章 コロンブスの塔

第11章 バルセロナというクラブ

第12章 いよいよ試合開始

第13章 バルセロナvsオサスナ

第14章 サグラダファミリア 1