第5章 来たぜバルセロナ!
September 8, 2006
8:25、バルセロナのエルプラット空港に無事到着。
快晴!
着いちゃったよー! 来ちゃったよー! 日本から、遙か16時間!!
ついに来た! 夢にまでみたバルセロナ!
フレディー・マーキュリーの声で、 ♪バルセロナ〜〜〜〜 ・ ・ ・ という歌が、頭のなかで流れているぜー。
荷物受け取りのターンテーブル付近で待っていると、 背中に「TANAKA 11」と書かれた 日本代表のTシャツを着た外国人がいた。
なんでここで日本代表着てんねん?
彼はパリまでの便でも見ていたので、 ずっと同じ便だったようだ。
また、背中に「セレブな仲間に大人気」と書かれた ジャージを着たブロンド髪の兄ちゃんもいて、 ようやくバルセロナに着いたというのに、 ここはどこやねん? って感じだ。
さて、自分のスーツケースは借り物だ ということを思いだした。 微妙な色加減がわからない。 どんな色だったっけ ・ ・ ・。
でも130人乗りの飛行機だから ・ ・ ・と確立論で考えてたら、 たいした数があるわけじゃないようだ。 案の定、出てきたら一発で判別できた。
荷物を引きずって受取り場を出ようとすると、 係員に呼び止められた。
荷札を見て、 「Where are you come from?」 『トーキョー』と答えると 行っていいぞという仕草。
空港は、あまり治安が良くないと聞いていたので、 タクシー乗り場へ急ぐ。
出迎えの人でごった返す中を足早に歩いた。 タクシーの窓をたたくとオヤジが降りてきて、 荷物をトランクに入れてくれた。
日本では、トランクのロックが開けられるだけで、 運チャンは降りてこないことが多いから、ありがたい。
ドアを自分で開けて乗り込み、 予めホテルの住所と名前を書いておいたメモを見せた。
数秒見て前を向いた。どうやらわかってくれたようだ。 出発!
タクシーは市内の中心部に近づく。 右側通行がヘンな気分だ。 それとなぜかヤシの木がいたる所にある。 そんな事を考えていると、ふいに疑問が湧いてきた。
バルセロナに着いたときに 「入国」のスタンプを押してもらってないぞ。 制度上問題だけど、 なにより「記念」として押してもらいたい。
これでいいのか? と思ってると、 不意に大きな建造物だ見えた。 カンプノウ(FCバルセロナのスタジアム)だ。 『ここに来たかったんだぜーー』としばし見とれた。
20分弱でホテルに到着。 21ユーロと数十セント払う。 タクシーはボラれるかもと聞いていたが、 数十セントとか、数ユーロくらいならくれてやる、 くらいに思っていたので、 釣り銭とかは気にしなかった。 でもボラれなかったけど。
降りるときも、トランクから荷物を出してくれた。親切だ。 「観光都市」を名乗る行政からのお達しか ・ ・ ・。 『グラシアス!』と言って、ホテルに入って行く。
『オラ! Check in please 』と言って、 フロントにネットで予約時にプリントした紙を見せた。
日本ならこれで大丈夫なはずだった。 英語表記もあるので何にも心配していなかったが、 その紙は宿側が把握している形式とは違ったらしい。
一応予約番号や申込サイト名は書いてあるのだが、 宿側にとっては、なにこれ? というシロモノだったらしい。
なにやら怪しい展開。
「 Reservertion ? 」って聞かれたりもした。 得体の知れない紙を手に、右往左往する従業員。 パソコンで調べたり電話したり。 ちょっとたって「 10 minites 」と言って座っているように指示され、 ロビーのソファーに座って待った。
他の従業員に聞いたり、フロントの裏へ行って調べたり いろいろ手を尽くしてくれているようだ。
こちらが至らないのは明らかだが、 曖昧な言葉で説明しようとして、混乱させてしまうよりは、 プロの調査能力に委ねようと思った。 ちょっと悪いな、と思った。
20分ほど経って、他の宿にいかにゃ、あかんかな? と思いはじめていると、 「 OK!」と言って呼んでくれた。
よかったー。 いざというときの保険の意味もこめて、 ちょっと奮発したけど、4ツ星にしておいて正解だった。 チープで手軽な宿だったら、こんな親切さはなかったかも ・ ・ ・。 感謝!感謝!
カードを出し、パスポートを見せ、部屋の鍵をくれた。 フーッと、一安心。
だけど部屋に入り、 もうひとつ気がかりだったことを思い出した。 パスポートのスタンプのことをハッキリしておこうと、 日本総領事館に電話をした。
「ただいま込み合っておりますので、このままおまちください」 スペイン語と日本語が交互に吹き込まれたテープが流れる。
ちょっと待つとスペイン語で 「#★§♭£☆◇♀ ・ ・ ・」と、またわからない。 『ハポネス(日本人)』 と言うと、日本人の係員につないでくれた。
趣旨を話すと、 飛行機の経由地でも最初にEUに着いた国 (俺の場合フランス)で、 スタンプを押してもらわなければならないらしい。 そういえば「 Sight seeing 」とか言ってないぞ?
何かあったら乗ってきた飛行機の半券が証明になるので、 大切にとっておくことと言われた。
最初に着いた国からは、フランス〜スペイン間であろうと 同じ国のような扱いで、飛行機も国内線と同じなんだそうだ。 EUってそんなものらしい。
国がいくつも陸続きなことも、 国境を自由に行き来する感覚も俺らにはない。 そんな異質な感覚に、ヨーロッパの奥深さをちょっとだけ垣間見た。
帰ってきてネットで調べてわかったことだが、 最近のフランス入国は怠慢で、 スタンプを押してくれないのが普通なんだとか。 だからスタンプが欲しい人は係員に言いましょう、と書いてあった。
そんなワケで、俺のパスポートには日本の出国と帰国のスタンプしかない。 せっかくの記念なのに、なんてこった!
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